
世界の基軸通貨としてもっとも有名な通貨です。政治・経済などの情報が入手しやすいため、他の通貨に比べると値動きを予測しやすく、FX投資を始めるにあたってまずは検討してみる通貨かもしれません。アメリカの政治・経済動向はもちろん、金融政策も世界の為替市場に大きな影響を与えます。
米ドルの特徴
米ドルはかつて「有事のドル買い」と言われた安全通貨でしたが、米国がテロの対象となった2001年9月11日の世界同時多発テロ以降「有事のドル売り」と言われるようになりました。また米ドルは、2000年頃には世界の外貨準備高の71~72%を占めていましたが、2006年末には65%を切っており、徐々にその割合を減らしています。とはいえ、現在でも為替市場全体を動かす最も重要な指標はドル関連のファンダメンタルズです。
情報収集と戦略
為替市場は米国の金融政策に左右されることが多く、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策の発表や米財務長官、米連邦準備制度理事会(FRB)議長・理事の発言に敏感に反応することがあります。そのため、米経済指標のなかで米国の金融政策にかかわる指標の「米国雇用統計(特に非農業部門雇用者数)」「米国消費者物価指数」「米国生産者物価指数」などは大変重要です。さらに、サブプライムローン問題が取りざたされている現在、住宅関連の指標にも注目しておく必要があります。
米ドルはいつ動いた?
米ドル/円 10年間のチャート(月足) 97年10月~07年10月現在

- 1, LTCMショック(98,09)
- 1998年9月、ピーク時には数十兆円もの資金を運用していたロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の経営が破たんしました。同ファンドは、ヘッジファンドではアメリカ史上最高の利益を稼ぎ出していましたが、その破たんもアメリカ史上最大のものとなりました。このとき、ドル円のレートは2日で20円も暴落しました。
- 2, アメリカ同時多発テロ(01,9,11)
- 2001年9月11日午前9時頃(日本時間同日午後10時頃)、アメリカ国内線の飛行機4機が同時にハイジャックされ、そのうち3機がニューヨークの世界貿易センタービル、ワシントンのペンタゴンに突入するという、史上最悪の国際同時多発テロ事件が発生。このようなとき、通常は「有事のドル買い」と言われていますが、このときはアメリカが当事国ということもあって、「有事のドル売り」現象が起きました。
- 3, 米サブプライム問題悪化(07,07)
- ベアー・スターンズ社傘下のヘッジファンドが、米国のサブプライム問題(低所得者層向けの住宅ローンの焦げ付き)の影響を受け、巨額の損失を公式に計上したことをきっかけに、サブプライム問題の深刻さが表面化しました。これにより、全世界の株式市場が下落、為替市場ではリスクマネーの収縮、円キャリー取引の巻き戻しが起こりました。
米ドル/円 1年間のチャート(日足) 06年9月~07年11月現在
- 4, 円キャリー取引最高潮1ドル124.14円(07,06,22)
- 前日21日のニューヨーク市場で米長期金利が上昇したことで円キャリー取引が活発化するとの観測から、円売り・ドル買いを誘いました。ドル円は一時、2002年12月以来となる1ドル124円14銭をつけました。
- 5, サブプライム問題によるマーケットの動揺→米公定歩合引き下げ(07,08,17)
- サブプライム問題に端を発した世界的な信用収縮、金融市場の動揺を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急会合を開き、公定歩合を0.5%引き下げました。円キャリー取引の巻き戻しが起こってパニック状態になっていたマーケットは、これにより一時落着きを取り戻しました。
- 6, 米国雇用統計悪化(07,09,07)
- 不安定なマーケット状況の中、米国雇用統計(非農業部門雇用者数)が発表されました。市場予想+10万人に対し、結果が-4000人と予想外のマイナスになりました。サブプライム問題が実体経済にも波及しているとの思惑から、再び円キャリー取引の巻き戻しが起こり、米ドルは112円台まで下落しました。
- 7, FRB、FF金利の0.5%引き下げを決定(07,09,18)
- サブプライム問題が継続する中、FRBはFOMCでFF金利の誘導目標を現行の5.25%から0.5%引き下げ4.75%にすると決定しました。利下げが伝えられると、株価は上昇、円安の流れになりました。
- 8, FRB、FF金利の0.25%引き下げを決定(07,10,31)
- 引き続きサブプライム問題が継続する中、FRBはFOMCでFF金利の誘導目標を現行の4.75%から0.25%引き下げ4.50%にすると決定しました。利下げが伝えられると、株価は上昇、円安の流れになりました。
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