例えば、1ドル100円のときに預託金100万円を入金して、ドル/円を1万ドル買った場合、取引の必要証拠金として拘束される資金は、レバレッジによって下記のようになる。
| レバレッジ | 証拠金率 | 必要証拠金 | 余剰証拠金 ( 出金可能額) |
担保余力 |
|---|---|---|---|---|
| 1倍 | 100% | 1万ドル(100万円) | 0円 | 100% |
| 2倍 | 50% | 5000ドル(50万円) | 50万円 | 200% |
| 3倍 | 約33% | 3330ドル(33万3千円) | 66万7千円 | 300% |
| 5倍 | 20% | 2000ドル(20万円) | 80万円 |
500% |
| 10倍 | 10% | 1000ドル(10万円) | 90万円 |
1,000% |
| 20倍 | 5% | 500ドル(5万円) | 95万円 | 2,000% |
| 30倍 | 約3% | 330ドル(3万3千円) | 96万7千円 | 3,030% |
| 50倍 | 2% | 200ドル(2万円) | 98万円 | 5,000% |
| 100倍 | 1% | 100ドル(1万円) | 99万円 | 10,000% |
上記のとおり、レバレッジが異なると必要証拠金が違ってくる。高レバレッジだと、必要証拠金を減らせる半面、小さな為替変動で強制ロスカットされる可能性が高まる。しかし、高レバレッジであっても 預託金に余裕を持たせれば(余剰証拠金を増やす)、実質レバレッジは低下し、強制ロスカットはされにくくなる。

預託金総額が同じでポジションが同じであれば、レバレッジが異なっても強制ロスカットまでの値幅はほぼ同じ(必要証拠金が小さい高レバレッジの方が強制ロスカットまでの値幅はやや大きくなる)。レバレッジが高いと未だ拘束されていない資金(余剰証拠金)が残るため、さらにポジションを建てることができ、取引総額を大きくすることができる。取引総額が大きくなれば、強制ロスカットまでの値幅は小さくなる。

丸の内で働く須磨子さんは、夏のボーナスで120万円を受取りました。銀行預金では金利があまりつかないので、金利の高いドル預金1万ドル(1ドル120円)に投資しようと考えていたところ、最近、友人の友子さんから「FXは外貨預金より手数料が安いからおトクだよ!」という話を聞いて興味を持ち始めました。すぐにスマートトレードの商品を調べた須磨子さんは、「『気ながに外貨』はレバレッジがないので、為替リスクは外貨預金と同じ。でも『スマートトレード2倍』『5倍』『10倍』は、為替リスクがその倍率ごとに大きくなるハイリスク・ハイリターン商品だから怖いなあ……」と不安を感じ、選択肢からはずしました。結局、「気ながに外貨」に投資しようと考えています。さて、彼女の商品選択は正しかったのでしょうか?
須磨子さんの、「『スマートトレード2倍』『5倍』『10倍』はハイリスク・ハイリターン商品」という考え方は間違いではありませんが、正解ともいえません。というのも、須磨子さんが1万ドルの投資をしている限り、どの商品を選択しても「外国為替リスク」は同じだからです。たとえば、ドルが1ドル120円から115円になったとしても、1万ドルの投資をしているのであれば、為替変動リスクはどの商品も変わらず「5万円(5円×1万ドル)の差損」です。では、選択する商品によって何が変わるのでしょうか?答えは、投資元本が変わります。レバレッジを上げることによって投資元本を減らすことができるのです。

| 商品名 | 1ドル120円の時に必要な元本(必要証拠金) |
|---|---|
| 気ながに外貨 | 120万円 |
| スマートトレード2倍 | 60万円 |
| スマートトレード5倍 | 24万円 |
| スマートトレード10倍 | 12万円 |

| 商品名 | 1ドル115円になった時の残り元本 |
|---|---|
| 気ながに外貨 | 115万円 |
| スマートトレード2倍 | 55万円 |
| スマートトレード5倍 | 19万円 |
| スマートトレード10倍 | 7万円 |
では、どういう場合に為替リスクが大きくなるのでしょうか?
須磨子さんがボーナス120万円のすべてを元本としてドルに投資すると、「スマートトレード2倍」なら2万ドル、「スマートトレード5倍」で5万ドル、「スマートトレード10倍」では10万ドルまで投資することができます。このとき、1ドルが125円になると、「10万円」「25万円」「50万円」のリターンを得られますが、反対にドルが115円になると、それぞれ「10万円」「25万円」「50万円」のマイナスになります。つまり、レバレッジを使って投資規模をふくらませると、リターンが大きくなる代わりに、為替リスクも大きくなるのです。

| 商品名 | 120万円の資金で投資できる 最大の額(1ドル120円) |
1ドル 120円→115円 | 1ドル 120円→125円 |
|---|---|---|---|
| 気ながに外貨 | 1万ドル | -5万円 | +5万円 |
| スマートトレード2倍 | 2万ドル | -10万円 | +10万円 |
| スマートトレード5倍 | 5万ドル | -25万円 | +25万円 |
| スマートトレード10倍 | 10万ドル | -50万円 | +50万円 |
とすると、「1万ドル以上は投資しない」と決めている須磨子さんにとって、「気ながに外貨」ではなく、投資元本12万円で1万ドル投資できる「スマートトレード10倍」も選択肢として考えてもいいかも知れません。
高いレバレッジで取引した場合、同じ投資規模でも強制ロスカットまでの変動幅は小さくなります。
| 商品名 | 必要最低元本 | 強制ロスカットライン(1ドル120円で購入) |
|---|---|---|
| 気ながに外貨 | 120万円 | 円を証拠金とした場合、強制ロスカットなし ※外貨売りがあった場合、ロスカットあり |
| スマートトレード2倍 | 60万円 | 66.66円 (値幅 -53.34円) |
| スマートトレード5倍 | 24万円 | 100.00円 (値幅 -20.00円) |
| スマートトレード10倍 | 12万円 | 110.20円 (値幅 -9.80円) |
高いレバレッジで運用するときには、預託金に余裕を持たせる(=十分な担保余力を維持する)か、こまめにレートをチェックし、担保余力が低下したら取引規模を縮小させて「担保余力」を回復させるなどの強制ロスカットリスクのコントロールが重要になります。
もともと「頻繁に取引したり、毎日の値動きに振り回されて一喜一憂したりするのは嫌。ボーナスは株などではなく、金利の高い外貨預金にしよう」と考えていた須磨子さんは、外貨を買っている場合、強制ロスカットの心配がない「気ながに外貨」でスワップ金利をコツコツ貯めることにしました。(外貨を証拠金とした場合は強制ロスカットが発生する場合もあります。)