銀行が提供している「為替予約」とは、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後など、一定期間後に、予め決められた為替レートで外貨の売買を行う取引です。一定期間後の予め決められた為替レートを「先物レート(=フォワードレート)」といい、日々のリアルタイムのレートを「直物レート(=スポットレート)」といいます。為替予約契約を結んだ場合、一定期間後の為替相場がどうあれ、予約したレートで取引しなければなりません。3ヶ月先のドルを買う為替予約の場合、3ヶ月後に予約レートよりも円高になっていれば、予約をしていなかった場合よりもコスト高になります。しかし、将来の為替相場の直物レート(スポットレート)が上昇するか、下落するかは不明であるため、為替予約をすることで、円ベースでの支払い代金を確定できるメリットがあります。
先物レートは、将来の為替相場を予測して決まるのではなく、予約を入れた当日の直物レートに通貨間の金利差から算出されるスワップレートを加減して決まります。円よりも金利の高い通貨を買う予約をした場合は、外貨から受け取れる利息の方が、円に支払う利息よりも大きいため、その差が為替相場に反映され、先物レートはディスカウントされ、直物レートよりも先物レートの方が低くなります。
■直物レートと先物レートの関係
金利の高い通貨を買う為替予約をする場合の先物レートと直物レートの関係は、金利差が変わらないとすると下記のようになります(先物レートはディスカウントされ、直物レートより安い)。
【2008年5月20日に2008年11月25日決済のドル購入の為替予約をする場合】
2営業日後(22日)から予約日の「直物レート」にドル円間の金利差を考慮して先物レートを決定(5月20日のスワップレートは0.952として計算)。円より金利の高いドルはディスカウントレートとなります(銀行の為替手数料は考慮していません)。
銀行の為替予約の取引レートは、先物予約レート103.098円に、銀行の手数料(通常片道1円)を上乗せして、104.098円と決定されます。これだけなら、手数料は片道1円だけ、ということになりますが、実際はそれ以外にも目に見えないコストがかかっている場合があります。中小企業の場合の銀行との為替予約では、最後の仕上がりレートの104.098/円ドルのみ提示され、直物レート104.05円/ドルやスワップレートなどは明示されないことが多く、手数料体系はブラックボックスになっています。実際、銀行にとってはこの部分が大きな収益源となっており、中小企業は知らないところで手数料を取られていることがあります。
■顧客企業から見た場合の為替予約のコストの決まり方